令和6年第2学期始業式のお話

37日間の夏休みが終わりました。今日から2学期です。夏休み,長かったなー,と感じた人は手を上げましょう。じゃあ,短かったなー,と感じた人は手を上げましょう。お休みはね,やっぱり良いよね。だから,もっともっと夏休みがあったら良いのに,と思って今日登校した人も,きっといたはずです。もちろん,それで良いんですよ。でも,お休みがいいな,楽しいな,と思えるのは,やっぱり学校へ来て勉強や運動をがんばる日があるからこそ,なんです。今日からはまた,がんばる時間が始まるのです。

ただ,今日は校長先生が「がんばりましょう」と言わなくても,多くの人が気持ちを切り替えて,がんばろうとしていること,皆さんの様子を見ていると伝わってきます。特に6年生,早くから体育館へ来て,ずっと無言で待ってくれていました。後から来る学年の人たちが静かに集合できるようにお手本を示してくれているのですね。とても引き締まった気持ちで今日に臨んでくれていることがわかります。

休み明けにはいつも同じことを言いますが,がんばって登校してくれてありがとう!と,まずは校長先生からお礼を言わせてください。

ところで,この夏は本当に暑かったね。今から見せるのは,全部気象庁の記録です。笠岡で一番暑かった日は,いつで,何度くらいだったか。8月3日と8月14日が36.8 ℃でした。37日間のうち,35 ℃を超えたのは何日?20日ありました。日本で一番暑かったのはどこ?いつ?何℃ ?栃木県佐野市というところで 7月29日に41.0℃を記録しました。

これは,今日からしばらく先までの天気予報ですが,見てわかるように,まだまだ暑い日は続きます。夏休み中,特に冷房の効いた部屋へずっといた人は,暑さに体が慣れていないので,注意が必要です。熱中症対策をしながら,2学期のスタートを切りましょう。

1学期終業式に話したことです。夏休みの間,毎日ちょっとずつの時間をかけるだけで,とてもたくさんの時間を生み出せますよ。頑張って何かを続けてみましょう,と話しました。毎日,コツコツと頑張った人,きっといると思います。これができた人は,1学期から,ひとまわり成長した自分になっていると思います。自信を持って2学期をスタートさせてくださいね。

もう一つ,電子メディアとのつきあい方の約束事を3つ決めて,2回夏休み中にチェックしてもらいました。お家の人から褒めていただけるようなメディアとのつきあい方ができましたか?夏休みに限らず,これからずっとその約束事を守っていけるようにしましょうね。自分の健康や安全のためです。

この夏休み,世の中ではいろんなことがありましたが,その一つ,パリオリンピック。テレビなどで見た人はどのくらいいますか?たくさんの人が見ましたね。日本選手団は,金メダル20個,銀メダル12個,銅メダル13個,とたくさんメダルを獲得しました。メダルを取っていない人でもオリンピックに出場する選手って,これまで積み重ねた努力がすごい人ばかりです。そして,努力できる,頑張れるのは,しっかりとした目標・夢があるからです。出場した選手の話した言葉の中には,スポーツであっても別のことであっても,私たちが自分の目標・夢を達成するためのヒントがあります。今日は校長先生の心に残った2人の選手の言葉を紹介します。

岡慎之介選手。体操で3つの金メダル1つの銅メダルを取リました。岡山県出身ですね。もともと,「美しい体操」ができる選手として小さい頃から注目されていました。ただ,2年前の全日本選手権という大会で,右膝前十字靭帯断裂(みぎひざぜんじゅうじじんたいだんれつ)という,全治約10カ月の大怪我をしてしまいました。オリンピックの予選にもギリギリ間に合った,もしかして間に合わないかもしれないと思うくらい,大変な時期を過ごしていました。

そのことを,インタビューする人が尋ねたとき,こう言ったのです。「目標がちゃんとあれば、あきらめることってないと思う。」目標,つまりパリオリンピックへ出て金メダルを取ること,その目標がある限り,ケガが治らないんじゃないかとか,間に合わないんじゃないかとか,考えなかった。だから間に合って金メダルが取れたんですね。あきらめていたら岡選手はオリンピックに出ることすらしていません。しっかりした目標があれば,あきらめずに頑張れる。そのことを岡選手から学んでほしいと思い,紹介しました。

一方で,目標が達成できなかった選手もたくさんいて,そういう人の言葉からも学ぶことができます。レスリング女子フリースタイル50kg級に出場した須崎優衣選手。須崎選手は,2021年の東京オリンピックで金メダルを取っていて,今回も続けて金メダルを取れると,本人もみんなも思っていました。ところが,負けてしまったのです。結局最後は銅メダルを取ることができたんだけど,金メダルが目標だった須崎選手にとっては,とっても悔しい結果でした。

でも,須崎選手はインタビューでこう言いました。「負けたことがあるということが、いつか大きな財産になるという言葉を信じて、また頑張っていきたいと思います」うまくいかなかったからもうやめてしまおう,と思ったら,それ以上,目標・夢には一歩も近づけません。負けたことを財産にする。つまり,失敗したからこそ,次はこのようにしてみよう,同じ失敗はくり返さないぞ。そう考えたい,ということです。私たちもたくさん失敗をします。失敗した時,もうだめだと思うのではなく,今度はこうしてみようと,失敗をチャンスに変えることができたらいいですよね。それができるのは,やっぱり目標や夢がしっかりあるからです。そんな須崎選手から,私たちは学ぶべきだと思うのです。

オリンピックに出場した選手の話から,目標や夢はとても大切なものだとわかると思います。さて,みなさんは,今どんな目標や夢を持っていますか?もし,持てていないのだとしたら,絶対に持ちましょう。今日から2学期が始まります。2学期のスタートにあたって,ぜひ教室で,目標・夢を立ててほしい。そう願って,今日はこんなお話をしました。

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