リーディングDXスクール事業第3回公開授業
2025年2月19日に,標記公開授業を開催しました。全国から80名近い皆様(小学校,中学校,高等学校,教育行政機関,企業)にご参加いただきました。ありがとうございました。当日の概要は,ここにあるドキュメントファイルをご覧ください。
講師の渡邉光浩先生@南九州大学人間発達学部子ども教育学科准教授には,昨年度から4回にわたってご指導いただきました。最後のご講演で,「自由進度学習をすることが目的ではない。自分で学び続けられる人(自律的/自立的な学習者)を育てることが目的である。主体的・対話的で深い学びも,個別最適な学びと協働的な学びの一体化も,複線型授業もそのために行う手段である。児童には,学びの過程で選択に責任をもつ力を育てなければならない。そのためには,学び方の振り返りにももっと時間を掛けてほしい。教師は,児童に手段の活用を保証しなければならない。そのためには,基本的な知識・技能に関する指導も必要である。」というコメントをいただきました。
今回,浅野雄一先生@岡山県教育庁高校教育課教育情報化推進室指導主事(副参事)に,「閉会の挨拶」の中で本校の取組に対するコメントもたくさんいただきました。その中で,本校の「学びを委ねる具体的な手段」として「(1)学習の手引き」,「(2)教科書の活用」,「(3)他者参照」の良さを取組成果として挙げてくださいました。最後に「創意工夫を繰り返す,笠岡小学校の先生方と子供たちが我々に本質を問う機会を与えていただきました。本当にありがとうございました。」と心温まる言葉もいただきました。
お二人からいただいた言葉は,今後の本校の取組に目標と自信を与えてくださいました。
また,ご参加いただいた皆様から,Googleフォームを通してご感想・ご意見などをいただいております。下に,一部加筆して掲載させていただきました。本校の取組にはまだまだ課題が多いものの,称揚してくださる言葉もたくさん頂戴しました。大変ありがたく承りました。
本校のリーディングDXスクール事業における取組は今年度で終わりますが,今後も子供が「自己選択」「自己決定」「自己調整」する学びを保証する実践研究は,継続・発展させてまいります。引き続きのご指導・ご助言をよろしくお願いします。
- 最高に良かったです。児童に委ねることがイメージできました。
- 先生方のたくさんのご準備、単元内自由進度学習に慣れている子供達の姿等、驚かされることがたくさんありました。本校でもリーディングDXスクール事業を受けているが、研究が二年目となる笠岡小の実践は大変勉強になりました。今後の実践に繋げていきたいと思います。本日は大変貴重な授業、ありがとうございました。
- 自由進度学習の授業を見たことがなかったので、よく分かりました。準備、計画等、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
- 1年生の授業を参観しました。1年生でも端末を使いこなしていて、すごいなぁと思いました。また、子供たちが自己選択、自己決定できるようにしっかりと準備をされ、場の設定をされていたことに感心しました。学校全体で自由進度学習を進めておられることに学ぶことがたくさんありました。ありがとうございました。
- 子どもたちが意欲的に理科の実験に取り組む姿が印象的でした。自由進度学習を行うための先生の手立て(スプレッドシートや視覚的支援)を見習っていきたいと思いました。ありがとうございました。
- デジタル端末がこんなにも使用されている学校が近くにあることに驚いた。先生方の中でも研修会が開かれていたのかなど知りたい。
- 学習者主体の授業改善が推進され、学びの本質を求める先生方の姿に感激しています。端末活用は学習の基盤であることを授業の中で体現されていました。よいヒントを与えていただきました。ありがとうございました。
- 5年生理科の授業を参観しました。どの子も学習に向かっていて課題を把握していることがよく分かった。本時では、実験を行って情報を収集する場面だったので自由進度学習との親和性が高く、活動にスムーズに取り組むことができていました。考察の場面のスプレットシートも他者参照が意識されたものでよい仕掛けだなと思った。ありがとうございました。
- 子どもたちが自己決定し、主体的に学んでいる姿がすごく素敵でした。そのためには、先生方の日頃の指導や手立てがあり学び方を学ぶことができるのだと感じました。素敵な授業を見させていただきありがとうございました。
- 児童が自分でめあてを決めて、友達と協力しながら学習していました。
- 小1の国語を参観させていただきました。自分の問いを立てる、と言う難しい事にチャレンジされた事、素晴らしいと思います。さらに、そのチャレンジの中から、授業者ご自身が、新たな授業の案や改善点を見つけられている事も素晴らしいと思いました。しっかりとした単元構想、学習環境の整備など、学ぶ事多かった時でした。ありがとうございました。
- とても参考になりました。ありがとうございました。
- 自由進度学習のことがよりわかりました。ただ自由なのではなく、子どもたちが目的をもって活動しているのが印象的でした。また機会があれば参観させていただきたいです。
- 1-2の算数の授業を見させていただきました。子どもたち一人ひとりが、学習に向かっている姿を見て、自己選択・自己決定をすることは、こんなにすごいことなのだと感じました。準備には相当な時間が必要なのではないかと考えます。ここまで、子どもに学び方を教えて、1年生でもできるようになるには時間がかかると思いますが、私も教員として新しい授業の方法を勉強していきたいと思いました。ありがとうございました。
- とても学びの多い1日となりました。 5年生の授業では、子どもたちが自己決定しながら主体的に実験をする姿がみられ、日常的に新しい学び方に取り組まれているのだなと感じました。1年生から本格的な自由進度で、Figmaを効果的に使っている授業は初めて見させていただきました。1年生でもここまでできるのだという驚きと、可能性を感じさせていただきました。 また、アナログの良さとデジタルの良さを活かして、バランスの良い授業をされている様子も多く見受けられ、様々な実践や研究をされたからこそたどり着いた境地なのではないかと考えました。
- 自由進度学習の実際を知りたいと思い、参観させていだきました。1年1組の国語科の授業を参観しました。本時案もなく、本当に9割子どもたち主導の学びで驚きました。しかし、指導者としての目標はあるわけで、子どもたちが自由に動きながらも目標につながるようにするには、指導者側にかなりしっかりした計画が必要だろうと思いましたが、やはりそうだったなと感じました。実践を重ねながらコツをつかんでいかないといけないのだろうと思いました。授業者の藤井先生の悩みや戸惑いのお話を聞くことができ、とても参考になりました。評価の方法もどのようにされるのか気になりましたが、これだけ記録が残っていたらできそうだなと思いました。子どもたちの国語の教科書がクタクタでした。教科書をしっかり読んで、活用してきているんだな、すごいなと思いました。藤井先生は、iCTは苦手だと仰っていましたが、先生の日頃の丁寧なご指導が子どもの学びの基礎にあると思いました。ありがとうございました。
- すばらしい公開授業をありがとうございました。子どもたちが自己決定し、自ら学びを進めていく姿がすてきでした。学校全体で学びのサイクルを活用して日々の授業を行ってきたことが表れていました。これが一つの学級だけ、一部の先生だけ、となると、毎年リセットされてしまい、子どもたちの自己学習力を高めていくことにつながりにくくなってしまうと思います。学校全体で進めていくことの価値を改めて感じました。また、ICTを活用した先生方の準備・仕掛けづくりが効果的だと感じました。スプレッドシートを活用しながら、他者参照と協働を生み出す工夫がすばらしいと思いました。一人一台端末は、子ども同士の他者参照を促すとともに、教師によるすばやく細かな見取りにも活用できるツールだと思います。子どもたちの学びを深い学びにつなげていくためには、子どもの学びを教師が見取り、ゆさぶったり思考を深めたりするための問いかけ・声かけを一時間の中で一人一人に行うことが大切だと考えています。そして、ここが難しい部分でもあるとも思います。自分自身も日々試行錯誤をしながら授業をしていますが、笠岡小学校の実践から学ばせていただいたことを、生かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。
- 一年二組の算数の授業を参観させていただきました。子どもたちのやりたい!という意欲がとても伝わってくる授業だなと感じました。一年生でもしっかり自己選択、自己決定ができ、学びに向かう姿がとても素晴らしかったです。
- 協議会の感想にもかかせていただいたのですが、どの子も自分のしたいこと、することが分かっていて、先生に聞くこともなく困ることなく、活動する姿は本当に素敵だなと感じました。自分で学ぶ方法や書くもの、学習する場所、誰とするかを自分で決め、生き生きとした表情で学習する姿を自分の学校の子ども達にもぜひと感じました。授業後の「楽しかったぁ。」という児童の声が聞こえてきたこと、本当に素敵でした。児童が、「楽しかった。」「これを知りたい。」「知らせたい。」という気持ちをもてるように教師こそ学び方を学んでいく必要があると思いました。良い機会になりました。本当にありがとうございました。
- 1年生の算数を参観しました。どの子も楽しく自分のペースで学習している様子を拝見でき、一斉学習との違いを体感しました。さらに、学んだことは、自由進度学習では、一斉指導以上にファシリテートする教師の教科の理解や専門性が必要なことです。
- 〇低学年の児童の端末活用について興味があったので参加させていただきました。→1年生は、撮影機能くらいの活用と思っていましたが、友達の意見を他者参照する様子に驚きました。〇単元内自由進度学習の具体も拝見することができました。→自分なりの問いを立てることの大切さ、そもそも問いを立てるだけの興味関心をもたせることが大切だと思いました。また、委ねるためには、教師が意図をもって課題を用意することが必要だと思いました。●算数の授業で子どもたちが課題に向き合っている様子を見て、子どもたちが園で遊び込んできた姿が想像できました。私は、指導主事として就学前教育と義務教育の両方を担当しており、園での遊びの経験を1年生の学びにどう活かすかを考えています。見せていただいた算数の活動は、園の遊びの経験との親和性が高いなと感じました。
- 自由進度学習に大変興味があって、今回参加させていただきました。単元全体で実施する形式は知っておりましたが、1単位時間の中で行う形式は大変参考になりました。小学1年生の生き生きとした学習の様子は、大変参考になりました。ゆだねることから、自分で問いを立てることにチャレンジされたのはよい試みだったと思います。おっしゃられていたように子どもの実態から、もう少し上の学年からの実施がよいのかなと感じました。複数年に渡る先進的な取り組み大変お疲れさまでした。今後の取組もぜひ参考にさせてください。高橋校長先生をはじめ、笠岡小学校の全職員にみまさまに敬意を表しまして感想といたします。
- 担任の指導方法や個性が出つつも、学校全体で取り組んでいることがよく分かった。