令和5年度第1学期終業式のお話

皆さんおはようございます。4月7日に始まった第1学期,いよいよ今日までとなりました。長く感じたでしょうか。短く感じたでしょうか。どちらの人もいるでしょうね。でも,4ヶ月足らずの間,いろいろなことがあったでしょうから,今日でホッと一息つく,そんな気持ちはみんな同じではないでしょうか。

今日はここに書いたようなことをお話しします。まずは「新しい笠岡小学校」について。

令和5年度は,今井小学校で生活していた人たちが笠岡小学校に加わって,「新しい笠岡小学校」としてスタートしました。全校児童279名,全学年2クラスになった1学期が終わろうとしています。

今,この学期を振り返って,本当に笠岡小学校は新しい笠岡小学校になったな,と感じています。

今井小学校から加わってくれた人たち,2年から6年までに24人いますが,この24人にとっては,きっと戸惑うことはたくさんあったと思うんです。でもね,多くの人が「たくさん友達ができて楽しい」と,そのことを一番大切に考えてくれて,笠岡小学校に慣れてくれました。おうちの方も,学校を外から見ている人たちも,色々心配してくださいました。でも,24人は本当によくがんばりました。

それに加えて,もともと笠岡小学校へいた人たちもすばらしかった。何が良かったかというと,今井小学校から来た人たちと,元々笠岡小学校へいた人たちと同じように普通に接してくれる人がたくさんいたからです。この同じように,普通に,ということ。今井小からきた人たちにとって,どれだけありがたかったか。今や,元今井小とか元笠岡小とか全く関係なく,一緒に普通に生活している様子を,当たり前のように見ます。校長先生は今の新しい笠岡小学校としての姿を,とてもうれしく・頼もしく思っています。皆さん全員にお礼を言いたくて,今日この話をしました。皆さん,新しい笠岡小学校を立派にスタートさせてくれてありがとうございました。

では次に,あいさつについて1学期を振り返ります。

始業式の日に,こんな話をしたのを覚えていますか。皆さんの今の挨拶は,相手がしてくれたら返していますか?自分からしていますか?相手に伝わる声でできていますか?相手の目を見てしていますか?だんだん上のレベルに近づくといいね。そんな話をしました。さて1学期の間,皆さんのあいさつはどうだったでしょうか?

校長先生は,始業式でこの話をした後,少し「後悔」しました。それは,あいさつの仕方はいろいろあっていい,その人が精一杯相手のことを認める気持ちを表せさえすれば,いろいろな形があっていい,だから例えば,みんなに大きな声を出してあいさつをすることを求めなくていいな,と思えるようになりました。

なぜそんなことを思うようになったか。それはね,正門のところへ立っていて,声の大きさはいろいろなんだけど,目を見て,顔を上げてあいさつをしてくれる人が,ものすごく増えたんですよ。目を見て,顔を見てあいさつをしてくれると,声が小さくても,ちゃんと気持ちが伝わるんですよ。皆さんが,目を見るあいさつをしてくれるようになって,この4つの,下から上にレベルを上げて,なんていう考え方はしなくていいなと思えてきました。

自分らしい,自分にあった挨拶をしてほしい。だけどそれは,相手にちゃんと伝えようという気持ちを必ず持つこと。それができているのであれば,人それぞれいろいろあって良いと今思っています。目を見てあいさつすると,本当に気持ちが伝わるんです。終業式には,絶対このことを話さなきゃと思っていました。笠岡小学校はあいさつ自慢の学校にどんどん近づいていますよ。

あいさつについて,おまけの「うれしいお話」をします。昨日カワタさんという方から電話がありました。朝の登校の時,交差点の横断歩道を渡っていた登校班があって,渡り終わった後,止まって待ってくれたクルマに振り返っておじきをしたんだそうです。その方は,「とても気持ち良い態度だったので,朝からうれしくなりました。ぜひ,ほめてあげてください。」と電話でおっしゃいました。この登校班の人たちにとっては普通のこと。普段からちゃんとしているから,いつでもできるんですね。でも街の人たちは,ちゃんと見てくださっていますよ。みんなの立派な態度が,街の人を喜ばせている,うれしくて元気な気持ちにさせています,そして「笠岡小学校は立派な子供たちがいるんですね」という評判にもなったりします。とてもうれしい話だったので,紹介しました。

では最後に,明日から始まる夏休みに向けて,皆さんにお話ししたいことを言います。この人は,誰だか知っていますか?(写真掲載省略)サッカーが好きな人なら絶対にわかると思うし,今,日本のサッカー選手で一番有名かもしれない人なので,サッカーファンじゃなくてもわかるでしょう。イングランドのブライトンFCで活躍している,三苫薫選手です。去年のW杯でも大活躍でしたね。「三苫の1ミリ」なんて言葉も有名になりました。ドリブルで突破する力がものすごく優れている選手です。その三苫選手が,昨年最優秀選手に選ばれた時,自分に憧れる子供達に向けて,次のようなメッセージを寄せています。

「自分のように海外のクラブでサッカーをすることに挑戦したい子どもたちにアドバイスできることは3つあります」。と三笘選手はこう話しかけました。「1つ目は,自分にしかない武器を持つことです。僕自身,ドリブルという武器でどんな場所にいっても自信を持って,相手に立ち向かうことができました。そういった自信を持つことが最後,自分を信じる力につながると思います。」「2つ目は,自分を分析する力です。現在の自分のプレースタイルや特徴,将来なりたい姿,理想をイメージしながら,日々,どうやって練習していくかを考えていくことが大事になります。」「そして最後は,毎日を大事にすることです。将来,なりたい自分になるために,毎日の小さな積み重ねしか,成長する方法はありません。将来の夢に向かって今,努力できることを頑張ってください。」

校長先生は,この三苫選手のアドバイスを読んでいて,これはサッカーの話だけではなく,いろいろなところに当てはまる言葉だなと思いました。前,児童朝会でメジャーリーグベースボールの大谷翔平選手のことを話しましたが,一流の人がやっていることは,私たちの生活に当てはめて,マネをすると良いんです。そこで,三苫選手のアドバイスを,皆さんの夏休みに送るアドバイスに置き換えてみました。

1つ目。自分だけの武器を持つに代わって「これだけは頑張ったを作る」。夏休み,長いです。たった1個で良いので,これだけは他の人に負けないくらい続けて頑張ってやったよ,ということを作ったら,夏休みが終わったとき自分だけの武器になっているかもしれません。

1は2にもつながるのですが,「自分の夢を持つ」。夢を持ってそれに向かって,1の「これだけはがんばった」を作る,夏休みは良いチャンスです。例えば,科学研究で誰もやっていないようなことを調べて,まとめてみる。将来,科学者になりたいという夢は,実は小学生の時の科学研究がきっかけになったなんて話,よくあるんですよ。

そして3「時間を大切にする」。毎日,ちょっとずつで良いから努力を積み重ねたら,夏休み中頑張ると,すごい時間になりますよ。夏休みはお休みなので,遊んだりのんびりしたりする時間もぜひ作ってください。でも,そんな中に頑張る時間を毎日ちょっとずつ入れる,ちょっとずつの時間を大切に積み重ねる。すると,必ず1ができ,2の実現につながっていきます。

どうか,明日からの夏休み,36日間ありますが,楽しみながらも,これだけは頑張ってやったよ!と言える時間にしてくださいね。8月25日,笑顔の皆さんと会えることを楽しみにしています。

長い長い1学期の間,皆さんよく頑張りましたね。お疲れ様でした。良い夏休みを過ごしてくださいね。


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