令和5年度第2学期始業式のお話
ただ,今日は校長先生が「がんばりましょう」と言わなくても,多くの人が気持ちを切り替えて,がんばろうとしていること,朝正門前へ立って皆さんの様子を見ているだけで伝わってきました。休み明けにはいつも同じことを言っていますが,がんばって登校してくれてありがとう!と,まずは校長先生からお礼を言わせてください。
この夏,校長先生は,ところどころで,頑張っている皆さんの様子を見ることができました。例えば,7月25日のことですが,運動場で何人かの先生方と砂場の砂を運んでいたんですね。すると,遊びに来ていた6年生の男子3人が,遊びに来ていたのに,暑いのに,重たい砂運びを手伝ってくれました。とっても助かりました。8月5日は,月に1回中央公民館でやっているホリデーチャレンジがありましたが,夏休みなのに10人の4年5年6年の人たちが頑張って参加してくれました。8月17日には少年消防夏季研修が,笠岡消防署で1日掛けてありました。申し込んでいて来れなかった人もいましたが,4人の6年生が活動しました。お休みの日に自分から進んで積極的に研修会へ参加する人は,すごいと思います。その他にも,校長先生の知らないところで,もっともっとたくさんの人が,頑張ってきた夏休みだったのだと思います。学校では体験できないことを体験する,あるいは普段には挑戦できないことに目標を持って挑戦する。そして力をつける。とても大事なことです。
みなさんにちょっとたずねますが,この夏,目標を持って続けてがんばったことがある人,ちょっと手を上げてもらえますか。じゃあ手が挙がっていない人はいけないのか。そんなこと全く思いません。きっと,ああもうちょっとあれをやっておけばよかったなーと思うことがあるから,正直な気持ちから,今手が挙がらなかったのです。今から始まる2学期で,そのやればよかったなと思う気持ちを取り返せば良いのです。そういう意味では,がんばれなかった人の方が,よい2学期のスタートを切るチャンスかも知れません。
ところで今日は始業式なので,一人一人がよい2学期にするために,2つのお話をします。
1つ目はこれです。1学期の終業式でこのスライドを見せてお話をしました。自分からあいさつができないよりはできる方がいい。声は小さくて聞こえないよりは,ちゃんと伝わる方が良い。でも,相手に気持ちが伝わるのは,自分から言えなくても,声が小さくても,やっぱり目を見てあいさつができるかできないか,だと思います。この頃,目を見てあいさつする人がとっても増えたよ。その調子で自分らしいあいさつをしようね,という話でした。
どうしても,目じゃないといけないかというと,そんなことはありません。顔を見る,という感じで良いと思います。逆にね,顔を見ずにあいさつを返す,あるいは顔を見ずにあいさつもせずその人の前を通り過ぎるって,ダメだよね。皆さんが,相手にそうされたらどう感じますか?あ,私無視されたなとか,私のこと嫌なんだなって思いませんか?恥ずかしいとか,ちょっと考え事をしていてとか,相手の目,顔を見ない理由はいろいろあると思うけど,相手に気持ちを伝えるためには,とにかく目を見て・顔を見て,自分らしいあいさつをする。2学期はこのことを目指して,あいさつ自慢の笠岡小学校にしていきましょう。
ということで,1つ目のお話は,目を見て,顔を見てあいさつをする,ということでした。
2つ目はこの話です。皆さんの教室にも,この掲示物がありますね。1学期の間,これをどのくらい使ったでしょうか。これはね,皆さん一人一人に学ぶ力をつけることができる,とても便利で大切なものです。上の学年の教室には右側,下の学年の教室には左側が貼ってあります。言葉を並べるとごちゃごちゃするので,番号をつけますね。1番から5番,右も左も同じ意味です。これは,皆さんがゴールに向かって学んでいくために,まず何をして,次に何をして,という学び方の手順を示したものです。1学期もそういう場面はあったと思いますが,これから先,教室ではこれまで以上にこの1から5番を使って学習を進めるようになります。
1から5について,少し例をあげてお話しします。1番,まず自分の調べたいことをめあてにします。めあては先生が黒板に書きますね。それをノートに写すことがまだまだ多いと思うけど,力がついてきたら,めあては自分で考えられるようになるんです。2番,めあてを達成するために,調べ方を決めて,できるだけたくさんの情報を集めます。教科書,図書,インターネット,インタビュー,いろんな方法がありますね。
3番,集めた情報が全部答えなのではなく,それらを比べてみます。似ているところを見つけたり,ちがうところを見つけたり,その中で一番多いのは何か,一番少ないのは何か,などなど整理分析します。そうやってめあてに対する答えを導きます。
4番,調べたことをグラフや表にまとめたり,スライドにまとめたりしながら,めあてに対する答えを発表・プレゼンテーションします。
5番,学習を終えて,どこがよかったか,もっとこうすればよかったんじゃないか,と振り返りをして,今後に活かしていきます。
この1から5,青矢印のように順番に進めていきます。でも,4番のまとめをしている時,調べ方を変えてもうちょっとちがうことを調べたいなと思ったら,2番に帰ります。そして改めて,3番4番と進めて,より良いまとめをする,なんていうことも,学びが深まっていくと必ず出てきます。先生たちは,こんな学び方を,みんなに身につけてほしいのです。そして,いずれは,こういう学び方が先生の力を借りずに自分一人でできるようになってほしいと思っています。なぜなら,皆さんにとっての学びは,教室の中で行うよりも,自分の力で一人で学んでいくことの方が圧倒的に多いからです。長い長い人生の中で,皆さんは一生学び続けます。学校の教室で学ぶ場面なんて,ほんのごく一部です。だから,教室で先生の話を聞いて,先生の指示通りに活動することはもちろん当たり前にやってほしいのですが,この学び方を使って,自分で考えた学びを自分の力でどんどんできるようになってほしいのです。これは1学期に皆さんに行ったアンケート結果の一部です。自分で考え,自分で選んで学習をしているかどうかを尋ねたところ,1,2年生の皆さんは,半分近い人が当てはまらない,と答えました。1,2年生にはまだまだ難しいことかも知れないけれど,このアンケートで,もっともっと当てはまる,と答える人が増えてほしいのです。3年以上の人の結果はこれです。4人に1人は,まだまだ当てはまらない,つまり,自分で考え,自分で選んで学習をすることができていない,と答えています。この矢印のところが,ぐんと少なくなってほしい,そう思っています。今日ではないかも知れないけれど,この後,それぞれの学級で夏休みを振り返ったり,2学期のめあてを持ったりする時間があると思います。2学期のめあてを決める時,ぜひこの2つのことを意識して,めあてを作ってほしいと思っています。笠岡小学校があいさつ自慢の学校になること,笠岡小学校の一人一人が,本当の学ぶ力を身につけること,ぜひ実現してほしいと思っています。みんなで2学期,がんばっていきましょう!
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